NLP用語集

ゲシュタルト療法

ゲシュタルト療法とは、クライアントの抱える問題や悩みを再体験によって手放し、将来起こるかもしれない問題に対応できる方法を身に着ける「今ここでの気づき」を得る心理療法です。

1950年代に精神分析医フリッツ・パールズと、その妻でありゲシュタルト心理学者のローラ・パールズによって作り出されました。

「ゲシュタルト」とは、ドイツ語で「全体性」を意味する言葉です。

ゲシュタルト療法は、「世界を意味あるひとつの全体像として構成、認識する」をいうゲシュタルト心理学に基づいたもので、「今、ここ」で自分に向き合うことを目的としています。

心身がともにかかわる病気の多くは,知性と情動,心と体の解離やアンバランスが原因であり,また問題解決にあたっては自己の内部の力が十分に活用されていないと考えます。

患者に対し、現状・現実をはっきりと認識させ、それらから逃避することなく創造的に適応するように導き、援助するものです。

ゲシュタルト療法では、過去に起きた悩みや問題に対して、再体験を通して「今ここ」を経験します。「今ここ」で体験していることを重視し、感情や身体感覚の体験を通して気づかなかった自己に気づき、人格や統合性・全体性(ゲシュタルト)の回復を図る技法です。


ゲシュタルト療法の技法・エンプティチェア

エンプティ・チェアという技法では、クライアントの目の前に椅子を置き、そこに「今の自分にとってキーとなる人物」になり切って座り、「自分」に向かってメッセージを伝えるというものです。

「別の人格」を演じることによって、自分自身が気づいていなかったような部分に目を向けることができるようになり、「自分の中に、こんな思いが眠っていたのか」「本当は心の中でこう思っていたのか」という「気づき」を得ることができます。

知らず知らずの間に抑制していた気持ち、自分自身も気づいていなかった気持ちに気づくことで、自分の人生を生きていくために必要な「今、ここ」にある自分に向き合うことができるのです。


ゲシュタルト療法の効果

ゲシュタルト療法を行うことで得られる一番大きな効果は、「自分でも気づいていなかったことに気付けること」です。

エンプティ・チェアのように、相反する2人の存在になりきることで、不思議と相手に伝えたい言葉が出てくるようになります。自分が無意識の中で思っていたことや言って欲しかったことを「なりきり」という行動を通して引きだすことができます。

それによって、自分がいかに無理をしていたか、自分が今どのような状況なのかに気付くことができ、「ああ、自分はこうしたかったんだ」「自分はこう思っていたけど、本当はこうだったんだ」と理解できるようになります。

その気づきが、今後の人生や物事の考えたに大きく影響していきます。

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