精神的虐待
精神的虐待とは
精神的虐待とは、保護者や教師など子供の周囲にいる人間が、子供に対して言葉による脅しや兄弟間の差別的扱い、無視、子供の目の前で他の子供や家族に対して暴力を振るうなどの虐待を与えることや、育児放棄などを言います。直接的に身体に傷をつけたりしないものの、精神的虐待は見えない虐待であり子供の精神に大きな影響を与えます。
精神的虐待は誰しもが当事者になりえる場合があります。育児疲れ、家族や経済的不満や不安などが原因となって、いわゆる「カッとなって」言ってしまった、やってしまったという方も多いです。虐待の加害者の多くはと実父と実母であり、そのうち約60%を実母が占めるという悲しい現状があります。
精神的虐待によって起こる症状
精神的虐待を受けた子供は、その影響で心に傷を負ったまま成長していきます。子供のころから虐待を受け続けることで起こる症状は以下のようなものがあります。自分が全て悪いという罪の意識を感じやすい
小さいころから精神的虐待を受けることで「自分が悪い子だから怒られる」と思い込んでしまい、自分の周囲で起こるネガティブな現象は全て「自分が悪いからでは」と考えてしまいます。自己肯定能力が低いままで、自らその「自分が全て悪い」と思い込む状況に甘んじてしまいがりになります。記憶の欠如
幼いうちから継続的に不安やストレスを感じ続けたことで、記憶を司る脳の部位の機能が衰えてしまうことがわかっています。あまりに辛い状況に耐えられず「このような出来事は起こっていない」と思い込み記憶が欠如してしますのです。これは自分を守ろうとする自己防御機能によって起こります。感情の不安定
自分が幸せを感じたり、調和のとれた平穏な生活の中にいると漠然とした不安や悲しみ、苛立ち、恐怖が襲ってくるようになります。自分で自分自身の感情がコントロールできなくなってしまうのです。自殺願望
小さい頃から精神的に虐待を受け続けていると、「その場から逃げ出す方法」を知らないまま成長してしまうことがあります。「こんなにも辛い状況から逃げるためには自殺するしかない」という考えに囚われてしまうのです。ある日突発的に実行に移そうとする場合があるので、周囲は言動に注意しておかなければなりません。