NLP用語集

メタモデル

NLP(神経言語プログラミング)で一番初めに研究されたのが、「脳が外界を認識する3つの仕組み、一般化・削除(省略)・歪曲」と「それを表す12の言語表現」であると言われ、これらをメタモデルと言います。
 
そして、クライエントの悩みを表現する「12の言語表現」パターンに対して、「12の質問法」=「メタモデル質問法」のパターンを使って言語的に解決を促していることが分かったのです。
 
ものすごく簡単に説明すると、「悩んでいる人が話すパターンが12個あって、それを解消するパターンが12個あって公式的に抜き出しました」ということです。
 
悩んでいる人は、主観的に囚われているので、解消するメタモデル質問法を投げかけることで、この囚われが緩むことが発見されたのです。
 
脳が外界を認識する仕組み(一般化・削除・歪曲)NLPでは、私たちの脳は常に「普遍的モデリング法則」が働いていると言います。
 
私たちは「経験」を記憶するのに事実だけを選択することは出来ません。
常にこの3つの働きにより、無意識に取捨選択や解釈が起きます。
 
一人ひとりの経験は生まれた時の親の経験から始まって、常に経験をし続けています。
だからこそ、認識の違いが起きて、個々に個性が出来ます。
 
コミュニケーション、特に会話においては、すれ違いで悩む人も多いと思います。
 
それはすべての人が、脳の3つの仕組みのために違う地図を持っているからです。
 
「地図」は経験で出来た「あたな用の色眼鏡」です。
 
私たちは、この色眼鏡を外して物を経験することは不可能です。
 
だとすれば、そもそも違う地図を一人ひとり持っているので、言葉のすれ違いは当たり前という前提のもとに、相手とコミュニケーションをすることが重要なのではないでしょうか?
 
それでは、私たちの「地図」作る脳の仕組み、一般化・削除(省略)・歪曲を見てみましょう。
 

一般化とは、ある出来事や体験を基にして、自分なりにルール化してしまうことです。
 
私たちの多くの行動は、すでに経験された類似した行為の断片から成り立っています。
 
この類似のおかげで、私たちは過去の行動の経験に基づいて一般化をおこない、新しい行動をゼロから学ぶことを不要にしています。
 
そういう意味では、一般化は私たちの学習速度を上げてくれます。
 
一方で、一般化は制約として働く場合に問題があります。
 
 
削除とは、経験から一定の経験要素を削除して無意識化することです。
 
削除という仕組みは、脳が処理能力の超過を回避する仕組みです。
 
人間の中枢神経には毎秒200万個以上の情報が入力されていると報告されています。
 
もしも、この情報のすべてが処理されているのならば、膨大の時間がかかり一人の人生では足りません。
 
そのため、削除という過程が人間が生きる上で必要なのです。
 
私たちは、経験に焦点をあてて理解するために、削除が起き、盲点が出来ます。

 
歪曲とは、物事をゆがめて取る能力です。
 
ある意味人間らしい能力で、自然界にないものを作り出す創造力を発揮する能力でもあります。
 
これによって芸術、音楽、文学作品などを楽しむことが出来ます。
 
ただ、マイナス面では言葉通りで、物事に対して歪みや誤解を生じます。

では、12の言語表現と対応するメタモデル質問法を見てみます。
 
上の脳の仕組みは、メリットもデメリットも持っています。
 
言語学を元にした表現で難しいものがありますが、内容だけでも見てみてください。
 
メタモデル質問法は相手に「新たな視点を思い出させたり、違う考え方や可能性を提示したり」する方法です。
 
 
一般化されている表現に対しては、クライエントの内的な世界地図を拡張してあげることで囚われを抜け出すことが出来ます。
 
①必然性(必要性)/可能性の除法機能詞(助動詞)
 
必然性:「男は感情を外に出してはいけない」
(行動の規則や制限を示唆しています)
 → 「もし、男が感情を外に出したら、何が起こりますか?」
(規則の元になっている結果を特定します)
 
可能性:「私はこの状況を学ぶことが出来ない」 
(行動の規則や制限を示唆しています)
→ 「あなたがこの状況を学ぶのを何が妨げていますか?」
(問題の症状の原因を特定します)
 
②前提
 
「もし私の苦しみがわかっていたら、あの人はああいう風には行動しないでしょう」
(文章が意味をなすために、必然的にあることが含蓄されています=あの人は私の苦しみがわかっていない)
→「あなたの苦しみを彼がわかっていないということがどうわかるのですか?」、「あなたはどのように苦しんでいますか?」、
「彼はどう行動していますか?」(文章中に前提になっているプロセスと関係に異議を唱えます)
 
③普遍的数量詞
 
「彼は常に不機嫌だ」
(広範な一般化を示す使い方です)
→「彼は常に不機嫌なのですか?」、「不機嫌でなかったことはありませんか?」
(制限的な一般化を否定する事例=例外を特定します)
 
 
削除は文字通り情報が削除されています。
 
削除された情報を収集し回復することで、クライエントに新たな気づきが起きたり、カウンセラー側がクライエントの内的な世界観をより知ることが出来ます。
 
④単純削除
 
「私は動揺しています」
(文章の表層構造から重要要素が削除されている)
→「特に何に対して動揺しているのですか?」
(削除された要素を回復する)
 
⑤比較対象の削除
 
「そのアイディアはさらにいい」
(文章の表層構造から比較対象が落ちている)
→「そのアイディアは何よりもさらにいいのですか?」
(比較対象を特定する)
 
⑥不特定の参照インデックス
 
「人々は学習しない」
(名詞または代名詞が特定されていません)
→「特にどの人々が学習しないのですか?」
(誰を参照しているか明確化します)
 
⑦不特定動詞
 
「私はあの人を嫌っています」
(行為または関係性が定義されていません)
→「特にどうあなたはその人を嫌っているのですか?」
(行為または関係性を定義します)
 
⑧名詞化
 
「その関係は終わった」
(本来はプロセスまたは活動であるものが物のように見なされています)
→「特に誰が誰に対してどう関係していたのですか?」
(物になっている活動をプロセスに戻します)
 
 
歪曲は、A=Bのように一見関係ないものを結びつけて意味づけすることです。
 
そのA=Bに対して、「違うかもしれないですよ?」と異議申し立てをする質問の仕方で、クライエントの囚われを外します。
 
⑨因果関係
「彼のしゃべり方が、私を不快にさせる」
(ある人の心理状態は他者によってコントロールされることはないと想定されます)
→「特にどう彼のしゃべり方があなたを怒らせるのですか?」
(前提になっている原因と結果の因果関係を明確化します)
 
⑩読心術
 
「彼は私のことをかまっていない」
(他人の心は読み取れないと想定されます)
→「特にどう、彼があなたのことをかまっていないことがわかるのですか?」
(他人の心理状態の基準を明確化します)
 
⑪複合等価
 
「あの子は成績が悪いから、学習障碍児だ」
(2つの概念が同じことを意味するかのように結びついています)
→「成績が悪いことが、特にどう彼が学習障碍児であることを意味するのですか?」、「もしあなたの成績が悪い場合、あなたは学習障碍児であることを意味しますか?」
(複合等価で含蓄された関係の妥当性を確認)
 
⑫行為者(基準)消失
 
「それは悪い考え方だ」
(誰が判断をおこなったのか、どのようにその判断が生まれたかが省略されています)
→「それは誰にとって悪い考え方なのですか?」
(判断者と基準を明確にします)
 

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