NLP用語集

メタファー

メタファーとは、コミュニケーション相手に対して心理的な変容や理解の深さを促す比喩表現のことです。
 
たとえ話には「比喩」がたくさん盛り込まれています。
 
メタファー(比喩)には、意識の抵抗をすり抜けて、説得力や理解力を増す力や、無意識に届いて相手の心の変化を促す力があります。
 
例えば、昔話や童話、大昔の神話や宗教などの話、漫画や小説なども比喩は多く用いられていて、聞き手の心を揺さぶります。
 
皆さんの中にも好きな映画や物語に心打たれて、生き方が変わるという経験をした方もいるでしょう。
 
NLP(神経言語プログラミング)では、この比喩(メタファー)の力を、心理の変容や会話の影響力の強化に使います。
 
現代催眠療法家のミルトン・エリクソン博士が催眠療法の中で、クライエントの無意識の変容を促すために好んで用いた手法です。
 
メタファー(比喩)の種類と使い方】
 
比喩は様々な種類があります。
 
コミュニケーション時に意図的に使うと、相手の心を動かし感情に訴え、行動を促しやすくもなります。
 
また、知らず知らずのうちに相手の心を軽くしたり、成長をさせることもできます。
 
NLP(神経言語プログラミング)で使われる言語的な比喩には以下のようなものがあります。
 
比喩を使うと意識の抵抗をすり抜けやすく、無意識の変容を起こしやすかったり、理解力を深めてあげることが出来るのです。
 
【直喩】
 
直喩とは「~のような」「~みたいな」などのように、直接的に明瞭な表現を使って理由が説明されているたとえの表現方法です。
 
次のような例があります。
 
・彼女の聡明さは量子コンピューターのようだ
・この部屋の寒さは冷蔵庫みたいだ
 
【隠喩】
 
上のような直接的な理由が説明されずに、聞き手の想像に任される表現方法です。
 
次のような例があります。
 
・彼女は量子コンピューターだ
・この部屋は冷蔵庫だ
 
【引用】
 
自分が伝えたい内容を、別の権威のある人間や他の誰かが言ったことにして伝える技術です。
 
権威のある人の話にすると自然と説得力が増し、コミュニケーション相手の心に刺さりやすくなります。
 
有名人など名言は、まさに引用表現になります。
 
次のような例があります。
 
 
NLPでも幸せについて話をしますが、「今ここ」だけを感じていればずっと幸せです。
 
マザーテレサも言っています。
 
「今、この瞬間を幸せでいましょう。それで十分です。その瞬間、瞬間が、私たちの求めているものすべてであって、他には何もいらないのです。」
 
【自然形】
 
相手にとって自然な形の物事や出来事を活用して例えることで、相手の理解を促す方法です。
 
ミルトン・エリクソンはある花屋(がんで余命一か月)のペインコントロール(痛みの軽減)をしました。
 
その時、ミルトン・エリクソン博士が使った話題は「トマト」の話でした。
 
花屋のジョーにとって身近な「植物の話題」でイメージをしやすくした自然系の比喩の例です。
 
また、主語をジョーではなく、トマトの苗木にしながら「トマトの苗木は気持ちよく感じることができます」というような比喩表現も多用しました。
 
この場合、主語を自分に当てはめて聞くということが自然に起きるので、結果としてリラックスを促すことになります。
 
【生きた比喩】
 
生きた比喩は、今まさに起きていることを活用して説明する方法です。
 
「月がきれいですね」という言葉は、夏目漱石が「I Love You」を訳した言葉だそうです。
 
デート中にお月様を見ながら、月がきれいですねと言われたら愛の告白でしょうね。
 
【ストーリーの力】
 
物語や昔話や童話、神話などはストーリー仕立てになっており、ストーリーはとても力があります。
 
ストーリーの聞き手は、物語の中において自分を誰かに投影しながら、教訓などを受け取ることが出来ます。
 
例えば、子どもの頃に好きだった漫画やアニメが性格に影響することもあるのです。
 
逆に争いの場面を多く見ている子どもは、我慢強さが足りなく、喧嘩をしやすいと言われます。
 
 
メタファーは相手の無意識に届き、相手の心を変容させます。
 
メタファーはアドバンスドNLPベーシックコースで学ぶことが出来ます。
 

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