ラポール
ラポール(rapport)という言葉は、フランス語の「関係」を意味する言葉で、主にカウンセリングやコーチングなどの現場で、カウンセラーとクライエントのコミュニケーションにおける「良好な信頼関係」を意味する心理学用語です。
ラポールが形成されると、コミュニケーション相手の感情の中に、安心感が生まれてその後のコミュニケーションがスムーズになります。
コミュニケーション相手はあなたに理解され受容されていると感じるため、あなたの意見や提案を自分の中にスムーズに受け入れる準備が整っている状態なのです。
仲が良い家族や友人、恋人、仲間の間にはこのラポールが形成されていると言います。
カウンセラーやコーチとクライエントとの関係においてラポールが築かれると、その後のセッションが有効に働きやすいばかりか、成果も出やすくなります。
カウンセリングやコーチングはアドバイスではありませんので、成果を出すのにはクライエントの心理状態がとても重要になります。
仕事などビジネスにおいては、限られた短い時間で、しかも初対面の人と一緒に仕事をしたり、営業の得意先でプレゼンや商談を成功させたいシーンもあるでしょう。
また、上司と部下の信頼関係の構築や、多くの人への影響力という意味でも、ラポールというコミュニケーションスキルを身につけていて損はしません。
ラポールが注目されているのはビジネスの現場だけではありません。
最近注目されているのは、医療や福祉、介護業界や保育、教育の現場などです。
ラポールが注目されているというよりも、より良いコミュニケーションが求められていると言えるでしょうか。
ラポールは相手の無意識レベルとつながって共感や安心感、親近感を与える信頼関係です。
基本的なことがしっかりできたら、具合の悪い患者様、認知症の高齢者の方や、まだ言葉が話せない乳幼児、子どもたちに対しても安心を伝えて、効果を発揮することができます。
ラポールを形成する方法には心理学的に具体的な重要テクニックがいくつかあります。
ラポールが形成されるとお互い理解し合える感覚が生まれて、その後の人間関係がスムーズになります。
そのラポール形成の手法についてお伝えいたします。
一つ目はミラーリングです。
この時、わざとらしく合わせるのではなく、自然に合わせることが必要です。
2つ目はペーシングです。
ペーシングは、コミュニケーション時に会話において、相手を否定せず話し方を合わせる手法のことです。
話し方とは、相手の会話スピード、声の大きさ、声のトーン、呼吸などの非言語表現のことです。
3つ目はキャリブレーションです。
五感(視覚・聴覚・触覚)をすべて使い観察していくことが、NLPのキャリブレーションです。
4つ目はバックトラッキング(オウム返し)です。
バックトラッキングは(オウム返し)は、カウンセリングやコーチングの場面で使われる、会話において相手の言った言葉(キーワード)を、必要以上に変えずにそのまま繰り返して言い返す方法になります。
キーワードを丁寧に繰り返すことで、「あなたの話を聴いていますよ」というメッセージを無意識レベルで伝え、共感と安心感、親近感を伝えるラポール形成テクニックです。
NLP(神経言語プログラミング)には相手の世界を尊重するという考え方があります。
相手の世界を尊重するコミュニケーションには、ラポール「信頼関係」がかかせません。
そのためには、ラポールテクニックを用いて、共感や安心感・親近感を伝えることが必要です。
ラポール形成が上手にできると、今までとは違うコミュニケーションの世界に一歩踏み出します。
ラポール形成の重要テクニックは、アドバンスドNLPベーシックコースで学びます。