キャリブレーション
キャリブレーションとは、今ここで相手の言語や非言語のメッセージを観察し、感情や心理状態や身体的な状態の把握など、深い観察をすることが出来る、NLPや心理学における特別な観察スキルのことあり、心理学用語です。
コミュニケーション相手に対して理解を示すためには、ラポール(信頼関係を表す心理学用語)を築く必要があります。
キャリブレーションの目的は、観察することでより良いコミュニケーションや人間関係の構築につなげるのが目的です。
良い信頼関係のことをNLPや心理学用語では、ラポールと言います。
キャリブレーションの方法は視覚、聴覚、触覚の3つを使います。
視覚の観察は、歩き方、立ち方、座り方、姿勢、目の動き、話し方、表情、肌の色、呼吸の深さなどを見ます。
NLPではワークやセッションをおこないますが、相手の目線で記憶の配置がわかったり、特定の感情(例えば怖い)の時は特定の場所を眺めたり、特定の人の話をしている時は固まったりするなど、クライエントの示す視覚情報はたくさんあります。
また、ワーク前とワーク中・ワーク後の目線の違い、瞳孔の反応、表情のゆるみ、口角の上がり方、眉の動きや眉間のしわなど、確認することでワークが効いたかどうかも確認することが出来ます。
数日後に再セッションをおこなう時も、無意識レベルで良い変化がある場合は、表情などにとても表れやすいです。
聴覚的なキャリブレーションの場合は、音や会話に関するものです。
声の大きさやトーン(高低)、リズム(速さ)、お腹からの声か胸からの声か、話す内容、相手の言葉の使い方の特徴、五感の表現方法の優位などがわかります。
また、話し方だけではなく、歩くときの音などでも相手の心理状態を確認するということも出来ます。
聴覚の優れた人であれば、相手の歌や演奏で調子が良い悪いを判別できる人もいるでしょう。
触覚を使うキャリブレーションというと、しっくりくる人とわからない人がいるかもしれません。
触覚の鋭い人は、相手の雰囲気で状態の確認をすることが出来ます。
また、NLPでトレーニングを重ねていくと、相手のポジションに無心で立った時に、自分の感覚とは別にして相手の感覚を感じることが出来ます。
嫌な気持ちを感じているのは「相手」なのですが、その不快感だけ感じることも出来るのです。
もちろん感情が伴っているのではないので、相手の不快感だけを確認することになります。
不思議に思うかもしれませんが、ミラー・ニューロンが働くので、身体感覚を研ぎ澄ませることが出来れば相手の感覚を感じるのは普通の話です。
ただ、一定のトレーニングが必要なのは言うまでもありません。
キャリブレーションには注意する点があります。人は自分の思い込みに左右されます。
初対面の人を想定してみてください。
例えば、悲しいことがあっても微笑む癖がある人の場合、もしもこの人に対して思い込みで接し、「ニコニコして何も悩みなさそうだね。」と言おうものなら、この人は「あなたは理解しない人なんだ」と深く傷つくでしょう。
そうならないようには、どうすればいいのでしょうか?
それは、あなたがコミュニケーション相手に出会った瞬間から相手のことを謙虚に観察することです。
おそらく、時間が経つにつれて、様々な情報や最初の印象との差異が埋まり、キャリブレーションの精度が上がるはずです。
人は差異にしか気づくことが出来ません。
謙虚に相手を時間経過とともに、キャリブレーションすることで、相手の非言語メッセージにちゃんと気が付き、相手の望む対応をすることが出来ます。
また、主観的な思い込みは外すに越したことはありません。
一番大切なのはすべての思い込みを外して、相手の非言語からのメッセージをくみ取ることなのです。
また、無心になるとキャリブレーションの能力はあがります。
マインドフルネス状態になって「今ここ」にいないと、キャリブレーションは大抵思い込みになります。
NLP(神経言語プログラミング)では、キャリブレーションはコミュニケーションの基本としてとても重要なスキルです。